翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
生物学・分子生物学・バイオ技術コラム一覧へ戻る

2012年09月04日
循環社会に向けた廃棄物処理の優等生「セメント」

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

今回のテーマは、循環社会に向けた廃棄物処理の優等生「セメント」、セメント「特許」についてです。

セメント(cement)と耐火物(refractory)の歴史は切っても切り離せません。

土木建築現場でよく使われるセメントの発明者は、J.Aspdinというイギリス人です。石炭や粘土(clay)を焼いたものは、水と混ぜて放っておくと固まる性質があることで特許を取得しました。このセメントをポルトランドセメント(Portland cement)と呼んでいます。これは、イギリスのポルトランド(Portland)島で産出する砂に色が似ていることからこう呼ばれています。

セメントは石材同士を接着するための接着剤、骨材、鉄筋を入れた建築用構造材料にどんどん使われるようになりました。

セメント産業は、石灰を焼くので二酸化炭素を大量に放出しているように見えますが、今では環境に配慮した超優良産業です。セメント原料のなかには、下水処理場で発生する汚泥や、各種産業廃棄物が利用されていますし、燃料にも古タイヤのチップも利用されています。

セメントの製造にはロータリーキルンという、内部が耐火物で覆われた直径数メートル、長さ数十メートルの巨大な円筒形の炉が使われています。

耐火レンガの歴史を製鉄の歴史と並行して考えれば、鉄器時代、刀剣の鍛造、鋳物の鋳造、鉄砲の製造と続きます。本格的な耐火断熱レンガの使用は、幕末期の反射炉、明治期の八幡製鉄所へと続きます。これらに供給される耐火物は、耐火粘土や、耐火粘土を中心としたケイ石質レンガでした。

轄kエ翻訳事務所   医学翻訳・分子生物学翻訳・生化学翻訳担当:平井