翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
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2012年09月04日
石油を食べる微生物

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

今回のテーマはバイオレメディエーションと「レアアース」、「レアメタル」についてです。

微生物を利用して、ダイオキシン類やそのほかの土壌汚染物質(soil pollutant)の分解を行っていこうという研究が進んでいます。汚染された土地に極限環境生物を注入して土地の浄化をしようとする技術は、すでに実用の段階に入ってきています。このようなやり方は「バイオレメディエーション(bioremediation)」と呼ばれています。

同様の例として挙げられるのが、石油を食べる微生物の活用です。タンカーの座礁、あるいは2010年に起こった海底油田の事故などのように大量の原油が海へと流れ出てしまった場合、これまであった方法では対処しきれなくなっています。そこで事故現場に微生物をばら撒き、流出した原油を食べてもらうことで、短時間かつ効率的に事態を収拾しようという実験が行われています。

毒を食べるわけではありませんが、微生物のなかには、ヒ素やカドミウム(cadmium)といった毒性の強い重金属(heavy meatal)に耐えるものが少なくありません。これら極限環境生物を使って環境浄化に役立てようとする試みや、さらに一歩進めて「レアアース(rare earth)」「レアメタル(rare metal)」を取り出そうという研究もあります。

ただし残念なことに、そのような微生物は非常に稀な上に、研究も容易ではないそうです。

轄kエ翻訳事務所   医学翻訳・分子生物学翻訳・生化学翻訳担当:平井