翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
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2012年08月15日
レトルト食品のシールはどうやって行うか?

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

プラスチック製(plastic)の卵パック(eggbox)やお菓子の袋、カップ麺の蓋などのシール作業は、どのようにしているかご存知ですか。実は超音波が用いられています。材料自体が受ける圧力や超音波の衝撃力によるプラスチックの軟化や溶融が加味され接合され、超音波接着と呼ばれています。超音波振動の振幅は、数マイクロメートルの髪の毛の約1000マイクロメートルよりはるかに小さいのですが、メガホンの逆形状のようなエクスポネンシャルホーンで拡大して利用することが多いのです。

超音波溶着の長所は、接着面だけを溶融して、接合するので、物体全体に対する熱の影響もなく、接合時間は約1秒程度で、冷却時間もほとんど不要です。溶着して一体化するので接着剤やねじ、ボルトなどの部品もいりません。したがって、接合面もきれいであり、一度に複数の点や面全体の溶着も可能です。超音波溶着は金属も可能です。他には不綿布やフィルムの溶着、紙パックやレトルト食品(retort food)などのシールにも用いられています。マイクロマシンという非常に微細な物体同士の結合にも利用できます。

エアコン室内機に入っている細長い送風用のファンはプラスチック製ですが、これも分離した方を組み合わせ、端から超音波振動を加えることで、各接着面で同時に接合して製作しています。つまり、音で接着、切断するという離れ業です。

轄kエ翻訳事務所   医学翻訳・分子生物学翻訳・生化学翻訳担当:平井