翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
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2012年05月07日
リユース困難な半導体の包装材代替

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

皆さんの周りは電化製品でいっぱいだと思いますが、これらの中を見たことがありますか。トランジスタ、IC、LSIなどいろいろな部品が搭載されています。これらを総称して「電子部品」といい、その中で半導体技術を使った高集積デバイスは、LSI(Large Scale Integration)と呼ばれています。世界中で大量の半導体が使用され、それらを確実に届けるために必要なもの、それがLSI用キャリアテープやトレイといった包装材です。デリケートな半導体の保護として、また電子機器の組み立て実装ラインで使用されるため、厳しい精度・強度・電気的特性などが求められます。これらは、ポリスチレンなどの石油系プラスチック素材であり、キャリアテープは使用後、細かくカットされて大量に廃棄されます。また、トレイはリユースが基本ですが、壊れたら廃棄されてしまいます。

このように半導体用包装材は、多量の廃棄による環境負荷の問題を抱えており、この環境負荷を低減させることが、重要課題となっています。生分解性LSI用包装材は、植物由来の生分解性樹脂を使用しており、一般のプッラスチックと比べ、製造工程に要する石化燃料は多いものの、素材自身には石化材料が使われていないため、トータルでは石化資源の低減が図られ、二酸化炭素排出の低減につながります。素材自身に光合成で得られた再生可能エネルギーが蓄えられ、さらに強度性能面ではポリスチレンを上回る性能があるため、現在は携帯電話やパソコンの筐体として使われています。

業界規模、世界的規模で植物系生分解性包装材が使用されれば、二酸化炭素のエネルギーが大きく削減されると思われます。

轄kエ翻訳事務所   論文翻訳担当:平井